【10月31日 AFP】台湾南部の台東(Taitung)で31日、列車脱線事故の犠牲者の追悼式が行われ、事故を起こした列車の運転士が遺族に謝罪した。

 今月21日に発生した特急「普悠瑪(プユマ、Puyuma)」号の脱線事故以降、公の場で初めて言葉を口にした尤振仲(Yu Cheng-chung)運転士は、18人の犠牲者のうち15人が暮らしていた台東で行われた追悼式で、こらえきれずに涙を流しながら、ひざまずいて謝罪した。

 地元テレビ局が放送した映像によると、運転士は「申し訳ありませんでした。今回の件は私の胸の中で、永遠の痛みとなるでしょう」と述べた。

 その一方、式に参列した遺族らは運転士を許す様子を見せた。ある女性は「そんなことはなさらないで下さい。私たちはあなたを責めていません」「一緒に真実を見つけ出しましょう」と話した。地元メディアによって董(Tung)という名字が明らかにされているこの女性は、事故で親族8人を失ったという。

 今回の脱線事故では、さらに200人以上が負傷。車両は線路上でジグザグ状に横転し、台湾の鉄道事故としてはおよそ四半世紀ぶりの最悪の被害となった。(c)AFP