【10月31日 AFP】バチカン(ローマ法王庁)がイタリアの首都ローマに所有する土地で29日、人骨が見つかった。バチカンが30日、明らかにした。イタリア史上最も陰惨な事件の一つを解明する手掛かりとなる可能性がある。

 バチカンは、「在イタリア・ローマ法王庁大使館に付属する土地での修復工事中に人骨片が見つかった」と発表した。

 警察が現在、人骨の性別や死亡年齢、死亡時期などについての捜査を進めている。特にこの人骨のDNAが、1983年に行方不明となった少女2人のいずれかのものと一致するか、重点的に捜査する予定。

■1983年に行方不明になった少女たち

 バチカンの警察官の娘、エマニュエラ・オルランディ(Emanuela Orlandi)さん(当時15)は1983年6月22日、音楽の授業に出席したのを最後に行方不明となった。

 犯罪組織がバチカン当局者に貸付金の返済を迫るために誘拐したという説や、1981年に故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)法王暗殺未遂事件を起こしたトルコ人過激主義者、メフメト・アリ・アジャ(Mehmet ali Agca)元受刑者の釈放を迫る人質として誘拐されたとの説がうわさされた。

 またオルランディさんが消息を絶った40日前には、ミレラ・グレゴーリ(Mirella Gregori)さんが行方不明になっていた。母親によると、グレゴーリさんは自宅アパートでインターホンに応対し、学校の友達だから話してくると言って出ていったきり、行方が分からなくなった。(c)AFP