【10月31日 AFP】インドネシアの格安航空会社(LCC)ライオン航空(Lion Air)が運航するボーイング(Boeing)の新型機「737MAX」が海に墜落した事故で30日、捜索での回収物と犠牲者の遺体の選別作業が続く中、同国当局は同型機の全機体を検査するよう指示した。事故当時、墜落機には乗員乗客189人が乗っていた。

 首都ジャカルタの港では、当局者が機体の残骸や乗客の所持品から部分的な遺体をより分け、DNA検査のため病院に送るというつらい作業に当たった。より分けられた遺体には乳幼児のものも含まれていた。

 捜索活動では片方だけの靴や衣服の切れ端、財布、バッグといった品が海から引き揚げられ、墜落時の強い衝撃で青いカバーが剥がれた機体の座席とともに次々と埠頭(ふとう)に広げられた。

 事故機は数か月前に就航したばかりだったが、29日にジャカルタの空港を離陸した後、引き返しを要請し、その後にインドネシア北部沖のジャワ海(Java Sea)に墜落した。

 インドネシアは過去、航空安全の実績をめぐる懸念から欧米諸国領空の飛行を禁止されていたことがあり、今回の事故によって不安が再燃している。

 同国のブディ・カルヤ・スマディ(Budi Karya Sumadi)運輸相は30日、すべての737MAX型機の検査を指示。一方、同型機に対する運航停止命令は出さなかった。(c)AFP/Dessy SAGITA