【10月31日 AFP】米ボストン(Boston)の悪名高きギャングリーダーで、「ホワイティ(Whitey)」の通称で知られるジェームズ・バルジャー(James Bulger)受刑者(89)が30日、ウェストバージニア州の刑務所で死亡しているのが見つかった。同受刑者は前日に厳重警備体制が敷かれた刑務所に移送されたばかりだった。米メディアは同受刑者が殺害されたと報じている。

 連邦刑務所局(BOP)によると、バルジャー受刑者は30日朝、ウェストバージニア州ブルーストンミルズ(Bruceton Mills)の刑務所で意識不明の状態で見つかり、後に死亡が確認された。BOPは「連邦捜査局(FBI)が通達を受け、捜査が開始された」としている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、FBIの情報提供者でもあったバルジャー受刑者が他の受刑者らから「見分けがつかない」姿になるまで暴行を受け死亡したと報じている。同受刑者が殺害されたという情報について、当局からの確認は今のところ取れていない。

 ボストン南部の「ウィンターヒル・ギャング(Winter Hill Gang)」のボスだったバルジャー受刑者は、全米の最重要指名手配犯の一人として16年にわたり逃亡生活を送った末、2011年に逮捕され、殺人11件、恐喝、強要、マネーロンダリング(資金洗浄)、銃器の不法所持などの罪で2回の終身刑を言い渡された。

 バルジャー受刑者の犯罪人生は、ジョニー・デップ(Johnny Depp)さんがバルジャー役を演じた『ブラック・スキャンダル(Black Mass)』など、複数の映画や書籍で描かれてきた。また、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督のアカデミー賞(Academy Awards)受賞作品『ディパーテッド(The Departed)』(2006年)でジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)さんが演じたアイルランド系米国人の犯罪組織リーダーも、同受刑者がモデルになっている。(c)AFP/Chris Lefkow