【10月30日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は29日、8月に打ち上げられた太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe)」が、太陽に最も接近した人工物として新記録を達成したと発表した。

 NASAによると、パーカー・ソーラー・プローブは米東部夏時間(EDT)の29日午後1時4分(日本時間30日午前2時4分)ごろ、米国と旧西ドイツが共同開発した探査機「ヘリオス(Helios)2号」が1976年4月に打ち立てた太陽最接近記録4273万キロ地点を通過した。

 パーカー・ソーラー・プローブは、壊滅的な被害をもたらす太陽嵐の謎を解き明かし地球を守るミッションのために15億ドル(約1700億円)を投じて開発された。太陽付近を24回フライバイ(接近通過)して観測活動を行う予定だ。

 この他にもパーカー・ソーラー・プローブは、探査機としての飛行速度の最速記録を29日午後10時54分(EDT、日本時間30日午前11時54分)ごろに達成する見込みだ。これまでの最速記録は、やはりヘリオス2号が1976年4月に達成した時速24万6960キロ。

 パーカー・ソーラー・プローブは31日に最初の太陽接近を行う。太陽に最も接近するのは、太陽表面から616万キロの位置に達する2024年の予定だという。(c)AFP