【10月28日 AFP】米東部ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)にあるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)「ツリー・オブ・ライフ(Tree of Life)」で27日に発生した銃乱射事件で、ロバート・バウアーズ(Robert Bowers)容疑者(46)はわずか20分間で多数の死者を出していたことが明らかになった。

 ソーシャルメディアに反ユダヤ主義的なメッセージを投稿していたバウアーズ容疑者は、半自動小銃1丁と拳銃3丁を持って27日午前10時(日本時間同日午後11時)の少し前にシナゴーグに乱入し、安息日の礼拝に訪れていた人々に向けて発砲した。

 事件発生当時に建物内にいたスティーブン・ワイス(Stephen Weiss)氏は、入り口のロビーの方で銃声が数十回聞こえたと語った。「礼拝所ではすでに礼拝が始まっていたが、ロビーから大きな音が聞こえた」「私はそれが銃声だと分かった」

 ピッツバーグ郊外のユダヤ教徒の居住区に位置し、昔からピッツバーグを中心とする地域のユダヤ人の生活の中心となっていた同シナゴーグには、いつもの土曜日と同じように3つの信徒団の信徒らが集まり、建物内のあちこちの部屋にいた。

 バウアーズ容疑者は赤ちゃんの命名式が行われていた部屋に入って銃を乱射し、大人11人を殺害した。その後バウアーズ容疑者はシナゴーグから立ち去ろうとしたが、増援を要請していた制服警官らと鉢合わせになり建物の3階に立てこもり、銃撃戦の末に拘束された。

 最初の発砲から約20分間の出来事だった。負傷したバウアーズ容疑者は病院で手当てを受けているが、命に別条はないという。(c)AFP