【10月27日 AFP】女子テニス、WTAファイナルズ(BNP Paribas WTA Finals Singapore 2018)は26日、シンガポールで6日目が行われ、大会第3シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)は第8シードのキキ・ベルテンス(Kiki Bertens、オランダ)に第1セットを3-6で奪われたところで途中棄権し、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)を制した大躍進のシーズンを涙で終えた。

 21歳の大坂は、左脚ハムストリングの故障で試合開始から47分で棄権を余儀なくされた。現在、最も勢いに乗る選手としてシーズン最終戦に臨んだものの、1試合目のスローン・スティーブンズ(Sloane Stephens、米国)戦と2試合目のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)戦では、いずれもフルセットの末に敗れて無念の終わりを迎えた。

 物議を醸した全米オープン決勝でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)から大勝利を飾って以降、大坂は嵐のような日々を過ごしてきた。フラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン)を制したことでハードコートでの強さは確立したものの、クレーコートやグラス(芝)コートでの勝利は限られており、全仏オープンテニス(French Open)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)では、これまで3回戦を突破したことがない。

 今大会の大坂は、シンガポール・インドア・スタジアム(Singapore Indoor Stadium)のハードコートが予想よりも球足が遅いことに苦戦を強いられ、「ただハードコートで好成績を収めるだけではいけない。あらゆるサーフェスで勝利を重ねなければ」「自分ではそれができると思っている。だから、絶対に来年はそのことに集中していきたい」と報道陣に話し、違うサーフェスでの成長を誓った。

 大坂はまた、ハムストリングを痛めたのはスティーブンズとの大会初戦だったことを明かし、「この程度のレベルならプレーができるというのがあって、当然プレーするつもりだった」「最後まで戦えると思っていた。それがどんどん悪化していって、動くことができなくなってしまった」と話した。

 全米オープンで優勝して以降大きな注目を浴びるようになり、母国の日本で旋風を巻き起こしている大坂は、「自分の成長を感じる」「新しい経験をたくさんしている。シーズン幕開けは、自分で何をしているのかまるでわかっていなかった。だけど、今は前よりも冷静になっていると感じる」とコメント。シーズンが終了し、「全米オープンの後は、戻っていなかった」という地元の米フロリダに数か月ぶりに戻ることになる。

「あまり動いてはいけないと言われた。数週間は、とにかく休まないと」(c)AFP