【10月26日 CNS】米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)は25日、デリバリーサービス「専星送(Zhuanxingsong)」が広州(Guangzhou)で始動したと発表した。同サービスは現在、中国の11大都市で開始しており、年末までには中国30都市の2000超の店舗で導入すると言われている。

 中国消費者の生活様式はデジタル化の影響を深く受けているなどの要因から、同社としては世界で初の「中国でのオンライン・デリバリーサービス」を展開することとなったという。

 スターバックスの出前サービスは、主として2つのプラットフォームが担う。スターバックス・アプリと阿里巴巴(アリババ、Alibaba)傘下の餓了麼(Ele.me)だ。配達料は9元(約145円)で、スターバックスはこのために、出前専用のコップを開発。配達中に発生しやすい漏れやこぼれなどの課題を解決した。冷たいものと熱いコーヒーを区別して配達し、専用紙袋とシールテープも準備した。

 スターバックスは、「快適な空間体験」を「売り」としており、デリバリー窓口と専用棚を準備することで、店舗内での飲食体験に影響を与えないよう配慮するとしている。

 同社が近ごろ発表した第3四半期の財務報告によると、売上げは63億ドル(約7065億円)で前年同期比11%増、純利益は8億5200万ドル(約955億円)で前年同期比23%増。このうち、中国エリアは前年同期比2%減と、同社が展開する世界の中で最も成績が悪い。

 業界内の専門家の分析によると、中国の飲料市場は競争が特に激しいという。多くのコンビニがひき立ての豆を使ったコーヒーを販売するようになり、「新小売」の旗のもとに、様々なコーヒーチェーン店が雨後のタケノコのごとく現れてきており、スターバックスにプレッシャーを与えている。出前ビジネスで売上げをのばすことは、スターバックスにとって必然的な選択なのだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News