【11月6日 AFP】平昌冬季五輪のスノーボードとスキーで2冠を達成する歴史的快挙を成し遂げたチェコのエステル・レデツカ(Ester Ledecka)は、競技スケジュールが許す限り、新シーズンも二刀流でさらなる栄冠を目指している。

 今年2月に開催された平昌五輪で、23歳のレデツカはアルペンスキー女子スーパー大回転を制した1週間後、今度はスノーボードの女子パラレル大回転でも金メダルを手にし、「雪上の奇跡」を起こした。

 レデツカは、両競技で来年の世界選手権の栄冠を目指しているものの、競技スケジュールが重なる可能性に直面している。スノーボード世界選手権(FIS Snowboard World Championships 2019)が米国で来年2月1日から10日まで行われる一方で、スウェーデンで開催されるアルペンスキー世界選手権(2019 FIS Alpine World Ski Championships)は同5日から17日の日程となっている。

 レデツカは先月、地元プラハで報道陣に対し、「両方の大会に出場したいけれど、現時点で言えるのはそれだけ」とコメント。レデツカが両競技の大会に出場できるようにするため、現在コーチ陣がスノーボード関係者と話し合っているという。

 冬季五輪の同一大会において2つの競技を制した史上初の女子選手となったレデツカは、「実現できると信じているけれど、それは単なる生存本能のようなものなのかもしれない」と話し、「結局は自分で決めなくてはいけなくなると思う」と付け加えた。

 レデツカのスキーのコーチを務めるトーマス・バンク(Tomas Bank)氏は、スノーボードの日程を1週間前倒しするよう国際スキー連盟(FIS)に掛け合ったと明かした上で、「しかし、それが良い方向に働くか確信はない。五輪では日程が重なっていても、プラスにつながることが示された」と述べた。

 また、最終的にレデツカがスノーボードよりもスキーを優先すると考えている同氏は、「普通は自分がやりたいレースに専念して練習し、何でもかんでも手は出さない」「エステルは(両競技の)バランスを取ろうとしている。しかし、今季はスキーの方が多めになる。エステルはそのことを認めたくないだろうけどね」と笑いながら話した。

 2週間にわたりスノーボードの練習を行っていたイタリアから戻ってきたばかりのレデツカは、「たくさんの距離をこなした」と語り、「速いボードで新しい技術を試した。来季はまた少しスピードが上がることを願っている」と続けた。