【10月26日 AFP】英国の実業家が、従業員5人から出たセクハラ疑惑の公表を裁判所命令によって阻止していたことが報じられ、ピーター・ヘイン(Peter Hain)上院議員は25日、この実業家が衣料品大手アルカディアグループ(Arcadia Group)の会長で大富豪のフィリップ・グリーン(Philip Green)氏(66)であることを明らかにした。

 アルカディアグループはトップショップ(Topshop)やトップマン(Topman)といった人気ブランドを各国で展開する国際企業。ハイン議員の発言に先立ち、メディア各社は大富豪や有力実業家らによる「口止め」行為に抗議していた。

 英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は24日、「明かされることのない英国の#MeTooスキャンダル」と題した記事を一面に掲載。同紙によると、イングランドで2番目に高位の判事が23日、ある実業家の下で働く従業員らに対し、上司のセクハラ・人種差別疑惑の公表を禁ずる一時的差止め命令を出した。

 疑惑の実業家は、秘密保持契約による和解に至るため弁護士7人を雇い、法的費用に50万ポンド(約7200万円)近くを支払ったとされる。デーリー・テレグラフ紙はさらに25日、「有名な社交家」とされる女性が10年前の社交イベントで、この人物からスカートの中に手を入れられたとする記事も掲載した。

 報道を受け、複数の議員が実業家の名前を公表すると警告。ハイン上院議員は25日の審議で、「議員特権」を使うと述べて、疑惑の実業家としてグリーン氏を名指しした。

 グリーン氏は同日夜の声明で、「裁判所で起こったことや、きょうの議会で語られたことについて」はコメントしないと言明。一方で、「私が違法な性的・人種差別的行動をしたとの疑いが示されていることについては、こうした疑惑を全面的に否定する」と述べた。(c)AFP/Dmitry ZAKS