■5か年計画

 同国は11回目となる5か年計画で、2020年までに化石燃料の輸入を「大幅」に削減することを目指している。これまでに保有している電気自動車はわずか100台だが、その数をさらに増やし、充電スポットの全国網の導入を計画している。また2016年には、同国初となる風力発電機を設置した。

 アジアで交通信号がない唯一の首都であるティンプー(Thimpu)から2時間ほどのプナカ(Punakha)では、土工機械とブルドーザーのエンジン音も高く、水力発電所を建設中だ。ブータンがカーボンニュートラル(CO2の排出量と吸収量のバランスが取れている状態)の国であり続ける計画の一環として、建設を目指している10か所のうちの一つだ。

 すべての水力発電プロジェクトは既存も将来も含め、友好国で最大のパートナー国であるインドが出資している。

 アジア開発銀行(ADB)によると、水力発電による電力は2016年のブータン最大の輸出品目で、同国の輸出全体の32.4%、国内総生産(GDP)の8%となっている。この電力は現在すべてインド向けだが、今後はバングラデシュにも輸出する計画がある。