【10月23日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱する方針を表明したことに関連し、米国は核戦力を「人々が目を覚ますまで増強する」と表明した。

 ホワイトハウス(White House)で記者団に語った。米核戦力の増強は中国やロシアにとって脅威になると述べ、INFからの離脱は中国の核戦力増強に対抗する必要からだという認識も示した。

 INFは米国と旧ソ連が結んだもので、中国は締約国ではない。

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は22日、「INF離脱をめぐって中国を持ち出すのは完全な誤りだと強調しておく必要がある」と警告。米国に対してはINFからの離脱を再考するよう促していた。

 一方、ジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は22日、モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相やニコライ・パトルシェフ(Nikolai Patrushev)安全保障会議書記とINFについて話し合った。

 ボルトン氏はパトルシェフ氏との会談後、ロシア紙コメルサント(Kommersant)に「ロシア側からはロシアはINFに違反していないという立場を強硬に主張された」「違反しているのは米国だと言われた」と明らかにした。

 その上で「われわれは米国のINF離脱が問題を引き起こしているとは考えていない。問題はロシアがINFに違反していることだ」と指摘した。(c)AFP