【10月20日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロで9月2日に起きた国立博物館の火災で焼失したと思われていた1万2000年前の女性「ルチア(Luzia)」の人骨が、焼け跡からほぼ無事に回収された。ブラジル当局者らが19日、明らかにした。ルチアは、ブラジル国内で発見された最古の人骨。

 アレシャンドレ・ケレル(Alexandre Keller)館長によると、頭蓋骨はほぼすべて見つかり、ほかの断片も80%が特定できた。大腿(だいたい)骨の断片も見つかったという。

 ルチアと名付けられた女性の人骨は、1970年にブラジル南東のミナスジェライス(Minas Gerais)州でフランスの調査チームによって発見されたもの。その後、英マンチェスター大学(University of Manchester)のチームが頭蓋骨をもとに生前の顔を復元して、古代女性ルチアの像が作成された。

 ルチアの像は、9月の火災で2000万点に及ぶ所蔵品の大半と共に焼失してしまった。だが数日前になって、収蔵室にあった金属製の骨つぼにルチアの頭蓋骨の断片が保管されているのが見つかった。

 博物館の焼け跡に残された収蔵品の回収を続けるクラウディア・ロドリゲス(Claudia Rodrigues)教授は、ルチアの頭蓋骨には火災による変化や損傷はみられるが、発見そのものやその意義については楽観的だと語っている。(c)AFP