巨大な商機には、激しい市場競争がつきものだ。ブランドメーカーは絶えず自身の個性や顧客群にふさわしいプラットフォームを探し求める。アリババは現在、バーバリー(Burberry)、ヒューゴ・ボス(Hugo Boss)、ティファニー(Tiffany)、モスキーノ(Moschino)など数十社のブランドメーカーと提携している。

 コンピューター、通信(コミュニケーション)と家電(コンシューマー・エレクトロニクス)の「3C」によって起業した京東は、過去6年間にファッション関連の布石を打って来た。京東の「時計の夜」イベントでは、多くの高級腕時計が並んだ。アリババと京東はラグジュアリーブランドを増やすため、天猫(Tmall)贅沢品プラットフォーム「ラグジュアリー・パビリオン(Luxury Pavilion)」と京東贅沢品プラットフォームの「トップライフ(TOPLIFE)をそれぞれ立ち上げ、現在では「エルメス(Hermes)」がオンラインとオフライン同時に進出を決めた。

 総合的なECプラットフォームが徐々に中国のラグジュアリー市場をこじ開けようとしているが、問題はまだ解決されていない。グッチのビッザーリCEOは、「ラグジュアリーブランドが一般のECプラットフォームの中に入ると、ラグジュアリーとしての独特性が薄まる。このリスクは取れない」と述べている。

 ラグジュアリーブランドと中国のECは、まだ互いに相手を観察し理解し合う時期にある。あるEコマースの経営者は、「贅沢品ブランドはまず自身の立ち位置や、顧客単価、顧客群の年齢などにほぼ等しいECプラットフォームを選ぶ。ECプラットフォーム側は資源、販売量のほか良好な市場評価が求められる。「贅沢品を買う人は、まず定型の標準品から始めて、その次にアクセサリーなどを選んで試してみる。いきなりオンラインでブランド品の最高級のものを買うことはしない。互いに相手をよく知り、同じ考えに至れば、提携は前進するだろう」と語った。(c)東方新報/AFPBB News