【10月23日 東方新報】中国ではEコマースが進化し、ECプラットフォームも多くの高級ブランド品が競う場所となっている。若者の間には、キャンペーン期間だけ営業し、キャンペーンが終わると閉店する「ポップアップ・ストア」がオンラインで流行しつつある今日、世界のラグジュアリーブランドが世のECの流れと逆の声をあげた。

 英国「フィナンシャルタイムス(Financial Times)」の報道によると、イタリアのラグジュアリーブランドのグッチ(Gucci)のマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)CEOは、「中国市場では偽物があふれているため、阿里巴巴(アリババ、Alibaba)や京東(JD.com)といったECプラットフォームとは提携したくない」と発言した。記者は、グッチの中国会社に取材を申し入れたが、本稿の配信時点でまだ回答は来ていない。

 実際は、グッチとその親会社のケリング(Kering)と中国のEコマースの提携は緊密度を増していると聞く。ケリングは、京東のサイトで、直営の「ケリングアイウエア公式旗艦店」を開設し、ケリング傘下のサブブランドを投入。中でもグッチの眼鏡はウェブページの目につきやすい位置に載っている。

 世界のラグジュアリーブランドが中国市場に引き付けられる背景には、巨大な商機があるからだ。米国のコンサルティング会社「ベイン(Bain & Company)」がイタリアのラグジュアリー協会と連名で発表した「2016世界市場の観測報告」の中で、2020年には個人のラグジュアリー市場の規模は2800億~2850億ユーロ(約36兆円~37兆円)になると予想している。