■「楽園」の危機、不況が追い打ち

 同じ頃、OABIとホンジュラス検察庁が、虐待があったとして動物200頭を押収。「楽園」の魅力はますます損なわれてしまった。

 動物が大好きだと言って飼育員の制服のまま園内の事務所で取材に応じたディアス園長によれば、スタッフ65人の給料と動物たちの餌、水や電気代を合わせると毎月の出費は4万2000ドル(約470万円)。そこへ動物園が抱える8万3000ドル(約930万円)の負債がのしかかるが、訪問者が減少する中、返済のめどは立っていない。

 その上、ホンジュラス経済は悪化の一途をたどっており「人々は動物園を訪れるなど娯楽に金をかけるより、必需品への出費を優先している」とディアス園長は嘆く。今はOABIに対し「債務救済措置と1か月分の支払い減額を期待している」という。

 OABIのホセ・ルイス・アンディーノ(Jose Luis Andino)所長は、ディアス氏の要求が「法的に可能かどうか」を弁護士が調査しているとAFPに説明。ホヤ・グランデについて、観光名所としてだけでなく教育的な価値も高いと指摘し、「動物園を維持するため」施設の改善なども含めて関係者と協力していると話した。(c)AFP/Noe LEIVA / Orlando SIERRA