【10月14日 AFP】ラグビー欧州チャンピオンズカップ(2018-19 European Rugby Champions Cup)で、イングランドのチームの選手がトライを決めきっていないうちから喜び始めて相手にボールを奪われ、試合の勝利も逃すという出来事があった。チームの主将は、ボールをフィールドにつける前に喜ぶのは「話にならない」と仲間をいさめている。

 信じられないミスがあったのは13日のバース(Bath Rugby)対スタッド・トゥールーザン(Stade Toulousain)の一戦で、試合残り3分、バースのフレディ・バーンズ(Freddie Burns)は相手の守備ラインを抜け出した段階でスピードを緩めて得点を喜び始めてしまい、その後片手でボールをフィールドにつけようとしたところ、スタッド・トゥールーザンのマクシム・メダール(Maxime Medard)にボールを小突かれてトライを逃した。そしてチームは最終的に20-22で試合に敗れた。

 バースは9月にも、国内の試合で選手がゴールラインを越える途中にボールを落としてしまい、ブリストル(Bristol Bears)とのダービーに7点差で敗れるという、似たようなミスを犯していた。

 これを受けて、チーム主将のリース・プリーストランド(Rhys Priestland)は、「おそらくチームとして話し合うべき事柄だ。トライを決める前に喜んでしまうことをね」とコメントした。

「チームとして、ボールをつける前に喜ぶなんてまったく信じられない。彼らがあれで一体何をしたかったのか、僕にはさっぱりだ。自分からすれば話にならない。あんなことは今季二度と起きてはならない」

 バーンズは74分にも正面からのペナルティーゴールを外しており、最終的に交代を命じられた。バーンズは試合後、ツイッター(Twitter)に「良いときも悪いときもこのスポーツを愛している。きょうはどん底で、このミスから学ぶつもりだ。これからも、今まで通り全力を尽くす。最後に、仲間とファンにミスを謝罪したい。ここから立ち上がる。サポートに感謝する」と書き込んだ。

 涙を流しながらフィールドを後にしたバーンズについて、メダールは、スタッド・トゥールーザンの同僚とバーンズが友人同士という縁で、12日に一緒にコーヒーを飲んだことを明かした。ノートライ事件を振り返りながら、メダールは「僕も驚いたよ。彼には点を決める時間がたっぷりあったが、じらしてしまった」と話した。

「彼の腕を狙った。片手でしかボールを持っていなかったからね。セブンズを見たことがある人ならわかると思うが、選手がすごく冷静なときにはああいうことが起こるんだ」

 主将のプリーストランドも、バーンズへのフォローを忘れていない。

「勘違いしないでほしいが、僕はフレディを戦犯扱いするつもりはない。彼のせいで負けたわけじゃない。チーム全体が良くなかった。あれを見て、あのせいで試合に負けたと言うのは安易な責任逃れだと思う」 (c)AFP