【10月13日 AFP】米国南部を襲った怪物ハリケーン「マイケル(Michael)」による死者は12日、少なくとも13人に上った。直撃を受けたフロリダ州メキシコビーチ(Mexico Beach)での捜索救助活動が進めば、死者数はさらに増加する恐れがある。

 州別の犠牲者の内訳はフロリダ州で4人、バージニア州で5人、ジョージア州で1人、ノースカロライナ州で3人。またフロリダ、ジョージア、バージニアの各州では大規模な停電が続いており、電力の完全復旧には数週間かかる恐れもある。

 マイケルが10日に5段階中上から2番目の「カテゴリー4」という勢力で上陸したメキシコ湾岸に位置する人口1000人の町、メキシコビーチを訪問したフロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)知事は「メキシコビーチは壊滅的な被害を受けた」、「爆弾が落ちたようだ。まるで戦場だ」と語った。

 メキシコビーチでは高潮や69メートルの暴風によって住宅や店舗など数十棟が内陸に向かって数十メートル動かされたり、がれきと化したりした。12日には、救助犬を投入してがれきの下に埋まっている恐れのある行方不明者の捜索が行われた。

 フロリダ州当局によると、メキシコビーチには避難命令が出ていたが、自宅に残ってハリケーンをやり過ごすと決めた住民もいる。

 米連邦緊急事態管理庁(FEMA)のブロック・ロング(Brock Long)氏は、「高潮とはどういうものかについて語れる生存者はほとんどいない」、「最も多くの人命を奪うのは高潮だ」と述べ、死者数が増加するとの見通しを示した。(c)AFP/Cyril JULIEN