【10月12日 AFP】キリスト教東方正教会で最も高い権威を持つコンスタンチノープル総主教庁は11日、ウクライナ正教会の独立を承認したと発表した。この決定をウクライナは歓迎したが、ウクライナ正教会の管轄権を主張するロシア正教会は「破滅的」と非難した。

 ロシアはウクライナ正教会の独立承認をけん制し、今年に入りロシア正教会のキリル総主教(Patriarch Kirill)がトルコ・イスタンブールにあるコンスタンチノープル総主教庁を訪れ、承認しないよう働きかけていた。

 ウクライナ正教会の独立承認は、2019年3月に行われる同国の大統領選において重要な鍵を握るとされている。再選を狙う現職のペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領はロシア正教会からの独立を重要事項と捉えている。

 ポロシェンコ氏はコンスタンチノープル総主教庁の決定を歓迎し、「悪に対する善の勝利、闇に対する光の勝利だ」と述べ、ウクライナはこの「歴史的な出来事」を330年以上待っていたと付け加えた。

 一方、ロシア正教会は今回の決定について、コンスタンチノープル総主教庁にとっても世界の正教にとっても「破滅的」だと非難した。キリル総主教の報道官は「コンスタンチノープル総主教庁は越えてはならない一線を越えた」と述べた。(c)AFP/Stuart WILLIAMS