【10月9日 AFP】サウジアラビア政府に批判的だった同国のジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコで行方不明となった問題で、米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は8日、同盟国サウジアラビアに対して公明で徹底した調査を求めた。

 カショギ氏はトルコ人女性との結婚を翌日に控えた今月2日、必要書類を受け取るためトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪れて以降、行方が分からなくなっている。

 ポンぺオ氏は声明で、「カショギ氏失踪に関する徹底した調査を後押しし、調査結果に関して透明性を確保するようサウジアラビア政府に求める」と表明。カショギ氏についてはドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領も「心配している」「かなりひどい話がいろいろと飛び交っている」と懸念を表明した。

 トルコ当局はカショギ氏がサウジ総領事館内で殺害されたと断言しているが、サウジ政府はそうした主張を否定し、カショギ氏は自らの足で総領事館を立ち去ったとしている。

 ポンぺオ氏は「著名なサウジアラビア人ジャーナリストで米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)への寄稿者でもあるジャマル・カショギ氏の安否や消息について、われわれは相反する報告を目にしている」と指摘。また、外交チャンネルを通して米国務省がサウジアラビア当局とこの件に関して協議しているとも明らかにした。

 カショギ氏は昨年から米国に在住しており、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子に批判的な記事を書いていた。(c)AFP