【10月9日 AFP】イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)で開幕から好スタートを切っているエデン・アザール(Eden Hazard)は、子供の頃からの夢であるスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)への移籍をいまだに夢見ていると認め、その去就はまたも不透明なものになった。

 アザールは今季の公式戦で8ゴールを挙げるなど、マウリツィオ・サッリ(Maurizio Sarri)監督の下で無敗を続けるチェルシーの中で重要な戦力となっており、チェルシーは勝ち点だけ見ればマンチェスター・シティ(Manchester City)やリバプール(Liverpool FC)と並び、プレミアリーグのトップに立っている。

 アザールはW杯ロシア大会(2018 World Cup)でベルギーを3位に導き大会MVPの投票で2位に入ると、自身が移籍先として望むレアルで新たな挑戦を始めるのにふさわしい時だと認めていた。

 7日に行われたサウサンプトン(Southampton FC)戦で得点を決め勝利に貢献したアザールは、「W杯の後、私は環境を変えるのにふさわしい時であると公言した。なぜなら、素晴らしいW杯を経験したからだ」と英国メディアに話した。

「試合にとても集中できているし、今は良いサッカーをみせられている」

「レアル・マドリードは世界で最高のクラブだ。今はうそをつきたくない。それ(レアルでのプレー)は子どもの頃からの夢だ。このクラブのことを夢見ていたんだ」

「どうなるか見てみよう。毎日この件について話したいわけじゃない。時間はないが、今後についてすぐに話し合うことになるだろう」

 1985年以降では初めて4試合連続でゴールを奪うことができていないレアルは、退団したクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)の穴をアザールの能力で埋められるかもしれない。

 アザールの契約は2020年までとなっているが、アザール自身は代表チームの同僚であるティボー・クルトワ(Thibaut Courtois)がみせたクラブとの関係を無理やり悪くさせるような行動を模範したいとは考えていない。

 クルトワはチェルシーとの契約が満了になるまで1年しか残っておらず市場価値が下がっており、プレシーズンの練習に戻ることを拒否し、8月にはレアルへと移籍した。

 アザールは「そうはなりたくない」と話し、以下のように続けた。

「私は自分にとって良い状況を求めているが、クラブにとっても良い形にしたい。このクラブは私にすべてを与えてくれたから」

「軽はずみに『新契約を結ぶつもりだ』と言って、結局契約を全うしなかったなんてことはしたくない。だからどうなるか見てみよう」

「朝起きて移籍したいと思う日もあれば、残りたいと思う日もある。難しい決断だがそれが私の将来だ。今は27歳だけど、1月には28歳になる」

 レアルは現在欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)で三連覇中だが、昨季のプレミアリーグを6位で終えたチェルシーは今季、そのチャンピオンズリーグに出場することさえできていない。

 しかしアザールは、今後を考える上で決定的な要因になるのは優勝トロフィーを獲得できるかではなく、プレーから楽しみを得られるかだと主張した。

 より慎重なアプローチを取ったアントニオ・コンテ(Antonio Conte)政権での2年間を経て、アザールは今、サッリ監督が指揮するより開放的な組織の中で成長をみせている。

「(重要なのは)トロフィーじゃない。もちろん試合に出場する時は勝ちたいと思うものだ」「しかし今がそうであるように、私はピッチの上でものごとをただ楽しんでいたい。そうすると幸せだから」 (c)AFP