■カバノー氏の票で刑執行延期は認められなくなる可能性も

「多くの死刑囚は、40~70代、場合によっては80代で死刑囚棟に入れられ、以来、20年から40年にわたって収容されている。今回のケースは今後、より一般的な問題となるだろう」とブライアー判事は指摘した。

 最高裁は、「残酷で異常」と見なされ得る刑罰から犯罪者を守る方針を長らく重視する傾向にあったが、広い意味では今回のケースによって、その判断自体が試されることにもなる。

 7月に退任した保守穏健派のアンソニー・ケネディ(Anthony Kennedy)元最高裁判事は、いくつかの重要な裁定で、修正第8条を広義に解釈する4人のリベラル派判事らの側に立ってきた。

 しかし、このたび最高裁判事に就任した保守派のブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏は、4人の保守派判事側に立つとみられ、最高裁の保守化は確実とされている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に指名されたカバノー氏は、性的暴行疑惑をめぐって論争を呼び、6日に上院で人事案が可決されて最高裁判事に就任したばかりだ。

 今回のケースを判断する際の多数決でカバノー氏が票を投じれば、マディソン死刑囚に対する刑執行延期は認められなくなる可能性もある。(c)AFP/Charlotte PLANTIVE