【10月5日 AFP】ロシア国防省は4日、米国が旧ソ連のジョージアで国際法に違反して炭疽(たんそ)菌などの生物兵器を開発、実験していると非難した。欧米諸国は同日、ロシアが化学兵器禁止機関(OPCW、本部=オランダ・ハーグ)へのハッキング計画など、世界規模のサイバー攻撃を企てたとして一斉に非難していた。

 ロシアの放射線・化学・生物防衛部隊のイーゴリ・キリロフ(Igor Kirillov)司令官は、外国の大使館員らが出席した説明会の席上、ジョージアの首都トビリシ近郊にある米非営利組織ルーガーセンター(Lugar Center)のもとで米国の秘密研究所が運営されていると説明し、「米国が国際法に違反した活動を行い、生物兵器の能力を強化し続けている可能性が極めて高い」と述べた。

 キリロフ氏によると、米国から資金提供を受けている問題の施設は2011年に開設されたが、今年に入り新たに8階建てのビルが近くに建設されたという。新しいビルの2つのフロアには米軍の地上部隊が入居し、研究室では「特に危険な病原体に感染した」患者が扱われており、米国は野兎(やと)病、炭疽、地中海熱、デング熱、クリミア・コンゴ出血熱などを中心に研究しており、典型的ではない伝染病に特に関心を持っているという。

 これについてジョージア保健省は、「ばかげている」とロシア側の主張を一蹴した。(c)AFP