【10月4日 AFP】イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)に所属するMFヘンリク・ムヒタリアン(Henrikh Mkhitaryan)は、自身の故郷であるアルメニアとアゼルバイジャンの間で外交上の緊張状態が続いていることから、4日に予定されているサッカーヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)で、アゼルバイジャンのクラブ、カラバフFK(Qarabag FK)とのアウェーゲームを欠場することになった。

 ナゴルノカラバフ(Nagorny Karabakh)で両国による対立が起きていることから、現在アルメニア国民はアゼルバイジャンへの入国を禁止されているが、過去にはプロのアスリートが特例を認められ入国したケースも存在する。

 しかしアーセナルは、ムヒタリアンがアゼルバイジャンに入国するために必要なビザの申請を行わなかったとAFPに明かした。

 アーセナルを率いるウナイ・エメリ(Unai Emery)監督は「私の仕事はサッカーだ。すべての人を尊重し、それぞれの文化や国に敬意を払っている。しかし、すべての国の状況を知っているわけではない」と話し、「私から言えるのは、彼が明日(4日)プレーしないということだ」と続けた。

 今季のヨーロッパリーグ決勝はアゼルバイジャンの首都バクーで行われる予定となっており、仮にアーセナルがそこまで駒を進めれば、この問題はさらに重大な影響をもたらすかもしれない。

 1990年代前半に3万人の死者を出した領土紛争でアルメニアの分離派がナゴルノカラバフ地区を占領して以来、両国はこの地区をめぐって対立。1994年には停戦協定が結ばれたものの、両国は頻繁に戦闘を交わしており、激しい論争が続いたままとなっている。

 ムヒタリアンはドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)に在籍していた3年前にもヨーロッパリーグでカラバフと対戦する機会があったが、その時もアゼルバイジャンには遠征していなかった。

 しかし、カラバフのグルバン・グルバノフ(Gurban Gurbanov)監督は、ムヒタリアンは遠征しないという形で好ましくない環境をただ避けているだけだと指摘した。

 アーセナル戦を翌日に控えてグルバノフ監督は、「これまで多くのアルメニア人のスポーツ選手がアゼルバイジャンにやって来た。しかし、彼を連れていかない選択をしたのはアーセナルだ」と述べた。

「アーセナルは、6万人のアゼルバイジャンのファンの前でムヒタリアンが何からのプレッシャーを感じることを恐れたのだろう。それこそが、彼らがムヒタリアンを遠征に帯同させなかった理由だ」 (c)AFP