【10月4日 AFP】オランダのテレビ局NTRは3日、クリスマスに毎年登場するサンタクロースの従者「ブラック・ピート(Zwarte Piet)」の黒い顔が物議を醸していることを理由に、その風貌をすすの付いた顔に変更することを決定した。

 ブラック・ピートはこれまで、このキャラクターを演じる人が、顔を黒く塗り、けばけばしい衣装を着て、アフロヘアのかつら、イヤリング、真っ赤な口紅をつけていたが、最近は人種差別的だとして批判の声が高まっていた。批判派からは特にオランダが南米スリナムで奴隷を搾取していた時代を想起させるとの指摘があった。

 こうした批判を受けて、ブラック・ピートが登場する番組を制作するNTRは、今年のブラック・ピートはすすを塗りつけた顔で11月に登場すると発表した。

 NTRは、伝統と変化の両方を尊重していると前置きし、独立した公共放送の担い手として社会の変化に対応していく義務があると説明した。「従って煙突を通って来るブラック・ピートの手と顔はすすで覆われ、髪形もこれまでとは変わり、金色のイヤリングもつけない」という。

 一方、黒い顔をしている理由は、クリスマスを待ち望む子どもたちに贈り物を持って煙突を下りてくるからだとして、多くのオランダ人から伝統的なブラック・ピートを擁護する熱心な声も上がっている。(c)AFP