【10月4日 AFP】米国選抜と欧州選抜による男子ゴルフの対抗戦、第42回ライダーカップ(The 42nd Ryder Cup)で、ブルックス・ケプカ(Brooks Koepka)の打球が当たって片目を失明した観客の女性が3日、転倒して地面に横たわっているときに観客に踏みつぶされないか恐怖を感じたと明かした。

 コリーヌ・レマンデ(Corine Remande)さん(49)は、大会初日となった9月28日の6番のショートホールで、米国選抜のケプカが放ったティーショットを顔面に受けた。

「運ばれる前は混乱状態でしたし、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)のラウンドが迫っていて周りの観客の数が増えていたので、踏みつぶされないか恐怖を感じました」「そしてショックだったのは、観客は私の写真を撮るだけで誰も助けを呼ばなかったことです」

 大会主催者を提訴したレマンデさんは、打球がギャラリーに向かってきたとき、グリーンそばの観客には何の警告もなかったと主張している。大会主催者は「フォアーと何度か叫んだ」とし、レマンデさんとその家族とはコンタクトを取っていたと反論している。

 レマンデさんは「スチュワードは『フォアー』と叫ぶべきでした。彼らはそうしませんでした」と話す。

「主催者はショーを演出する目的で6番ホールのティーを前に移動させました。ビッグヒッターが1打でグリーンオンできるようにするためです」「警告がなければ選手は見えず、観客は自分たちで危険を予期し、自分たち自身で身を守るしかありません。だから私は怒っているのです」

 また、レマンデさんは事故から3日間、大会関係者は誰も彼女のもとを訪れず、連絡をよこさなかったと明かしている。「私たちは提訴しました。私たちの質問に対する回答を得るため、観客の安全のために、代表して大会主催者に異議を申し立てるためです」

 なお、レマンデさんはエジプトの自宅に帰ることができないため、リヨン(Lyon)にある両親の家に数週間滞在する予定だという。

 同日、世界ランキング3位のケプカは、レマンデさんのけがの詳細を知ってショックを受けているとコメントした。

 アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権(Alfred Dunhill Links Championship 2018)の開幕を控え英スコットランドで会見したケプカは、「きのうは恐らく人生最悪の一日だった」と話した。

「コースに着くまで(レマンデさんのけがについて)伝えられていなかった。ソーシャルメディアに明るくないので、ここに着いて7件の着信と25件のメールが入っていたことに気づいたときには『何が起きているんだ?』と思った。その後そのニュースのことを告げられた。本当に胸を痛めている」

「ショックを受けている。きのうはゴルフに集中するのが最も難しい日だった」(c)AFP/Myriam CHAPLAIN RIOU