【10月11日 AFP】泣いているやせ細った子ども、松葉づえでヨロヨロと歩く少年。これらの絵は、イエメンで開催されている内戦の犠牲者を描いた絵の展覧会に飾られている100点以上におよぶ作品の一部だ。

 首都サヌア(Sanaa)で開催されている展覧会の開催期間は、9月29日から1週間。サヌアは、イスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)が支配している。反政府勢力の指導部が主催する展覧会の会場は超モダンなアートギャラリーで、内戦の傷跡が残るサヌアの町と著しい対照を成している。

「これは、全人類へのメッセージだ」と、ピープルズ・デベロップメント財団(People's Development Foundation)のアクラム・ヤヒヤー・バクル(Akram Yahya Baker)代表は言う。同財団は、反政府勢力に近い組織だとされる。

 主催者によると、これらの作品は、2018年初めに実施されたワークショップで、サヌアの爆撃地を実際に訪れインスピレーションを得たアーティストが描いた絵だという。イランの後押しを受けるフーシ派が支配するサヌアは、2015年に軍事介入したサウジアラビア主導の連合軍により、たびたび爆撃されている。

 世界保健機関(WHO)は、この内戦により2015年以降、約1万人が死亡し、5万6000人以上が負傷したとしているが、実際の犠牲者はこれよりはるかに多いと、援助活動家らは考えている。(c)AFP