【10月3日 AFP】南米エクアドルで、鮮やかな青い首をもつ新種のハチドリが発見された。しかし、不毛な寒冷高地に生息するこの愛らしいハチドリは、絶滅の危機にひんしている。

 調査チームのリーダーを務める鳥類学者のフランシスコ・ソルノサ(Francisco Sornoza)氏は、1年前に新種のハチドリの1羽を双眼鏡で見つけた際、直感的に未知の種だと思ったという。

 このハチドリは体長約11センチ。首は鮮やかな青色、胸は白と黒の縞模様、頭と羽根は緑がかった青色をしている。太平洋沿岸に近いロハ(Loja)県とエルオロ(El Oro)県にまたがる標高3000~3700メートルの高地に生息している。9月27日付の学術誌「The Auk: Ornithological Advances」で発表され、「Oreotrochilus cyanolaemus」との学名を付けられた。

 調査チームによると、このハチドリの生息数は推定300羽にすぎず、生息地は劇的に縮小している。一帯で行われている鉱業も、このハチドリの生存を脅かしている。

 エクアドルの生物多様性研究所(National Biodiversity Institute)に所属するソルノサ氏はAFPに対し、「この種は深刻な危機に直面している」と警鐘を鳴らした。

 ハチドリに関する観察はこれまで十分行われてきており、新種が見つかるのは極めて珍しい。ソルノサ氏によると、ハチドリの新種発見は30年ぶりになる。(c)AFP