ノーベル物理学賞、55年ぶりに女性受賞 D・ストリックランド氏
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■「変化は起きている」
英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の物理学部およびプラスチック・エレクトロニクスセンターの研究者であるジェシカ・ウェイド(Jessica Wade)氏は、物理学の分野で女性の存在が見落とされていることにうんざりしていた。同氏は昨年、オンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」に女性科学者の270項目を追加した。
ウェイド氏は、科学界での男女間格差をめぐり、「産休から戻ってきた女性を支援する制度、育児休暇の両親による利用、性的嫌がらせやいじめ防止政策」など一定の前進があったことは認めるが、それでも対等な現場になったとは到底言えないと指摘する。さらに、「一部の政治家らとソーシャルメディアを通じて、時代遅れの性差別主義的な考えが拡散しているという、社会的な問題」があることにも言及した。
つい最近も、欧州の物理学研究所である欧州合同原子核研究機構(CERN)のある男性科学者が、物理学は「男性が構築した」と述べ、女性は適切な資格なしに専門職を要求していると非難する出来事があったばかり。CERNは、この科学者を停職処分にしたことを明らかにしている。
スウェーデン王立科学アカデミーは2日、「誰も見落とさないようにしたい」との理由から、科学分野の賞に女性をノミネートするよう多くに働きかけを行っていると述べた。
■「女性科学者を祝福」
ウェイド氏は、元素周期表のうちの5つの元素を発見した業績が、まだノーベル賞という正式な栄誉を受けていないとして米放射化学者ドーン・ショーネシー(Dawn Shaughnessy)氏の名前を挙げる。
「すばらしい女性科学者と技術者がたくさんいる。彼女たちを祝福することにもっと時間をかけるべきだ」とウェイド氏は語る。「専門性の高い部分で女性を支援し、発言の機会やネットワークを構築する機会を与え、助言も提供したい。そして賞へのノミネートも欠かさないことだ。ノーベル賞であれ他の賞であれ」 (c)AFP/Patrick GALEY