【10月7日 CNS】中国・貴州省(Guizhou)大方(Dafang)星宿郷で、漆掻き職人の劉明合さん(48)は6メートルの高さの漆の木に登り、樹皮を細い溝状に削り、にじみ出る漆を掻き取っていた。

 劉さんは毎年4月から9月までの間「漆掻き」の仕事で約3万元(約50万円)の収入を得る。地元の漆かき職人の中に古くから伝わることわざに「芒種(ぼうしゅ)に木を縛り、夏至(かし)に刀を抜き、霜降(そうこう)に刀を収める」と言われている。山奥の漆かき職人にとって、毎年初夏から晩秋までの4か月間が、水分の揮発が速く、陽光を充分に受け、にじみ出る漆の質が最も良くなるので、最も忙しい時期だという意味だ。

 近ごろ、貴州・大方県の漆器はインターネット上での販売が伸び、地元の質の良い生漆の需要量が増加中だ。休業していた漆掻き職人の中には、古い道具を持ち出し、改めて仕事を再開したものもいるという。毎日朝早く家を出て数十キロの山道を歩き働く毎日だ。1斤(500グラム)の生漆を取るためには、樹皮に1000本以上の溝を切らねばならないという。(c)CNS/JCM/AFPBB News