【10月2日 AFP】(更新、写真追加)インドネシア政府は2日、同国スラウェシ(Sulawesi)島を襲った地震と津波による死者の数が1234人に増えたと明らかにした。これまでの公式な犠牲者数だった844人から大幅な増加となった。

 国家災害対策庁のストポ・プルウォ・ヌグロホ(Sutopo Purwo Nugroho)報道官は「午後1時現在で死者の数は1234人に上る」と発表した。

 その一方、マグニチュード(M)7.5の地震と津波で壊滅的な被害を受けた沿岸都市パル(Palu)では、複数の報告によれば、当局が警告射撃や催涙ガスを発射し、商店を荒らし回る人々を追い払っている。

 だが食料や清潔な水が不足しており、生存者らは飢えや渇きに苦しんでいる。また地元の病院は受け入れ能力を超える数の負傷者への対応に追われているという。

 これまで警察は、閉鎖された商店から人々が食料や水を奪うのを黙認していたが、2日にはパソコンや現金を盗んだとして35人を逮捕したと発表した。

 インドネシア国家警察の副長官はAFPに対し、地震発生後の「初日と2日目は明らかにどの店も開いていなかった。人々は飢えており、緊急の必要性がある人もいた。それは問題ではない」と説明。

 だが「(地震から)2日を経てからは食料の供給が始まり、物資を分配しさえすればよかった。われわれは今、取り締まりを再開している」と話し、現金自動預払機(ATM)が営業していることから、盗む者がいれば逮捕して取り調べを行うと述べた。

 当局がそう断言する一方、パルの市街地における事態の深刻さは明らかで、生存者はがれきから使用可能な物を探し回る状況が続いている。(c)AFP