【10月1日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が連邦最高裁判所判事に指名したブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)候補(53)の性的暴行疑惑をめぐり、トランプ政権が連邦捜査局(FBI)の調査を「細部まで管理」しようとしていると複数の米メディアが報じた。トランプ大統領はこの報道について9月30日、民主党の指名妨害工作だとツイッター(Twitter)で批判した。

 カバノー氏の性的暴行疑惑をめぐっては27日、告発した大学教授のクリスティン・ブレイジー・フォード(Christine Blasey Ford)さん(51)が上院司法委員会の公聴会で証言し、テレビ中継された。カバノー氏は告発内容を一切否定しているが、米上院は翌28日、カバノー氏を9人目の最高裁判事とする人事案の本会議での採決を1週間遅らせると決定。トランプ氏は、カバノー氏の追加経歴調査を行うようFBIに指示した。

 しかし、1週間の予定で行われるFBIの調査について米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)とNBCニュースは、複数の情報筋の話として、ホワイトハウス(White House)が聴取対象となる証言者の人数を制限していると報じた。

 トランプ氏はこれに対し「ワオ! 妨害と遅延工作しか頭にない民主党が、何やら言いだしたぞ。カバノー氏に対するFBIの調査について『時間』や『範囲』という言葉を使い、証言者が不十分だと言い始めた」とツイート。「連中は決して満足することはないんだ」と批判した。

 NYタイムズは事情に詳しい関係者2人からの情報として、FBIの調査対象に選ばれた4人の中に、カバノー氏の飲酒・パーティー時の振る舞いに関して同氏の公聴会での証言と食い違う説明をしている元同級生が含まれていないと報じている。調査対象リストは共和党の上院議員らが作成したとされる。

 また同紙によれば、カバノー氏のエール大学(Yale University)時代の元同級生も、同氏が上院公聴会で行った若い頃の飲酒習慣をめぐる発言は「露骨に誤った特徴付け」だったと非難しているという。米議会では偽証は罪と見なされる。

 一方のNBCは、学生時代のカバノー氏がパーティーで「不快な酔っ払い」のように行動し「合意なしに女子学生たちの体をなでたり、つかんだりした」場面を目撃したと告発したジュリー・スウェトニック(Julie Swetnick)さんが、FBIの調査対象に含まれていないと伝えた。さらに別の記事でも、ホワイトハウスが調査に制限を加えているとの米政府高官の発言を報じている。

 トランプ氏はツイッターへの投稿で、FBIは「行動の完全な自由」を得て独自に適切と判断した調査を行っていると主張している。(c)AFP/Brian KNOWLTON