【10月1日 AFP】オートバイレースの国際大会、世界スーパーバイク選手権(SBK)と併催されているスーパースポーツ300選手権(SSP300)で、カワサキ(Kawasaki)のアナ・カラスコ(Ana Carrasco、スペイン)が1ポイント差で年間優勝を果たし、モーターサイクルの世界選手権で史上初となる女性チャンピオンが誕生した。

 カラスコはシーズン最終戦となったフランスラウンド決勝で、25番手スタートから13位でフィニッシュ。同朋のミカ・ペレス(Mika Perez)を1ポイント差でかわし、王座に輝いた。

 ムルシア(Murcia)州出身の21歳で、学生時代は法律を勉強していたというカラスコは、「優勝が達成できたなんて信じられない」とコメントした。

「ここへたどり着くためにみんなで頑張ってきた。レース後のスローダウンラップでは勝ったのか分からなくて、スクリーンも見たけれど何も情報が見当たらない。それでターン5で観客に聞いて、やっと自分が一番だと分かった」

 カラスコは、2016年にカタロニア・サーキット(Circuit de Barcelona-Catalunya)で事故に遭い、24歳でこの世を去った同朋のルイス・サロム(Luis Salom)氏に優勝をささげると話した。

「ルイスを失った日に、最初のタイトルは彼にささげると約束した。今は目標を達成できてうれしいけれど、史上初の女性チャンピオンということに関しては、まだすべてがのみ込めたわけじゃない。何日かしたら、だんだん実感が湧いてくると思う」

 国際モーターサイクリズム連盟(FIM)で、女性のためのモーターサイクル委員会のトップを務めるニータ・コルホーネン(Nita Korhonen)氏は、「自由参加のサーキットレース選手権を女性が制したのは極めて素晴らしい」、「性別に関係なく、能力があればこれだけの高いレベルのタイトルを獲得できるということを、アナは証明した」と話した。(c)AFP