【9月29日 AFP】米国は28日、劣悪な公共サービスに対する抗議デモが続くイラク南部バスラ(Basra)の米領事館を閉鎖するとともに、イランの支援を受けた民兵組織による「間接射撃」を非難し、何らかの被害が生じた場合には「イラン政府に直接責任を問う」と警告した。

 イラク南部の油田地帯バスラでは数週間にわたり、失業や劣悪な公共サービスに対する抗議デモが続き、死者も出ている。マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は、緊急要員を除く全職員にバスラからの退避を命じた。バスラの米領事館の業務は、首都バグダッドの米大使館が引き継ぐ。

 イラク南部地域に対するイランの影響力縮小を最優先課題に掲げてきたポンペオ氏は、イラン政府と革命防衛隊(IRGC)の「コッズ部隊(Quds Force)」が米国人や米施設を脅かしているとして、イランの支援を受けた民兵組織がバスラの米領事館に「間接射撃」を行っていると非難した。間接射撃とは通常、ロケット弾や砲弾による攻撃を意味する。

 米ニューヨークの国連総会(UN General Assembly)に出席しているポンペオ氏は文書で、イラクその他で米国人や米施設に何らかの危害が加えられた場合、イラン軍や民兵組織のいずれによる攻撃であろうと、「イラン政府に直接責任を問う」意向を知らせたことを明らかにし、「こうした攻撃を受けた場合、米国が迅速かつ適切に対応することをイランは理解しなければならないと明言した」と続けている。

 米国務省は国民に対し、イラクへの渡航中止勧告を出している。(c)AFP