【10月1日 東方新報】最高級品と言われる中国・陽澄湖(Yangcheng Lake)産の上海ガニだが、最近の報道でほとんどが偽物だと指摘されている。消費者の権利を侵害しているだけでなく、ご当地ブランド全体に関わる問題だ。

 中国メディア新京報によると、北京のカルフール(Carrefour)、ウォルマート(Walmart)などスーパー十数店舗で売られている陽澄湖産の上海ガニの多くが偽物だったという。

 小さな商店が小銭稼ぎのために偽物を売るならまだしも、カルフールやウォルマートといった名だたるスーパーで売られている商品まで本物でないのは、理解に苦しむ。普通の消費者が本物の陽澄湖産の上海ガニを買うのは容易ではない。

 もちろん大手スーパーは偽物と知らずに売っているのだろうが、だからといって責任を免れられるわけではない。本物の陽澄湖産上海ガニはトレーサビリティシステムが整備され、産地や流通過程をさかのぼることができるため、小売業者にとって偽物を見つけることはさほど難しくない。なぜ売り場に偽物が並んでいるのか、原因究明が求められる。

 もし偽物の販売がうっかりではなく確信犯なら、その罪は大きい。小売業者は「商品につけられた本物だと示すタグの色や規格がばらばらで、どれが本物かを見極めるのは難しい」と語る。それでも、偽物に大金をはたいて損失を被るのは消費者なのだから、言い訳にはならない。(c)東方新報/AFPBB News