【9月22日 AFP】米イリノイ州にあるエーブラハム・リンカーン大統領図書館・博物館(Abraham Lincoln Presidential Library and Museum)で第16代米大統領エーブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)が実際にかぶっていたものという触れ込みで展示されてきたビーバー皮の帽子が、今週になって偽物である可能性が浮上した。

 同館にとって貴重な所蔵品であるこのチョコレート色の帽子を見学しようと、これまで大勢の人々が来館。米国の博物館に展示されているリンカーンの帽子は3点のみで、そのうちの一つであるこの帽子は650万ドル(約7億3000万円)の価値があるとされている。

 このたび、同館の財団から極秘依頼を受けて、連邦捜査局(FBI)の分析官とスミソニアン協会(Smithsonian Institution)の学芸員が帽子を分析。DNA鑑定も実施し、帽子から採取したサンプルと、リンカーンが1865年に暗殺された日の夜に採取された本人の血液を比較したが、結論は出なかった。

 歴史家らは、同館に提出した報告書の中で、帽子の来歴を明確に証明できないという事実を踏まえると、今回の分析結果によってリンカーン本人の帽子であるという主張は弱まる可能性があると指摘した。

 この分析結果は公表されなかったが、シカゴのラジオ局WBEZが今週、暴露した。

 アラン・ロウ(Alan Lowe)館長は、財団の秘密主義に不満を示す一方、大勢の人の手で取り扱われてきた180年前の品でDNAを完全に一致させるのは困難だろうとして、鑑定結果を重要視しない考えを示した。

 現在、問題の帽子は非公開となっている。同館は、さらなる調査を行った後、帽子の展示方法を決める意向だという。(c)AFP