【9月21日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は20日、世界反ドーピング機関(WADA)がロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格停止処分を解除したものの、同国が陸上の国際大会に復帰するにはまだ二つの条件を満たす必要があると明かした。

 WADAは、選手の薬物検査に関して国家ぐるみの不正操作が発覚したRUSADAに資格停止処分を下していたが、この日、3年間にわたる処分が解除され議論を呼んでいた。

 この措置は理論上、ロシア選手の国際大会への復帰の道を開くものとなったが、同国選手に対する資格停止処分を科しているIAAFは、この決定にまだ納得していないと明かした。

 IAAFは発表の中で「RUSADAに対する資格停止処分の解除は、ロシアが国際大会に復帰するために設けた三つの条件のうちの一つ」だと記した。

 残る二つの条件は、「調査委員会が明らかにしたロシアスポーツ省がドーピングの隠蔽(いんぺい)を主導していたという事実を、ロシア当局が認めること」、そして「独立機関『アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)』がモスクワ研究所で報告された疑わしい調査結果を追求すべきか判断できるよう、2011年から2015年までRUSADAの研究所で実施されたドーピング検査のサンプルを入手する権利をロシア当局が許可すること」となっている。

 IAAFの作業部会は、12月初旬に行われる評議会で提出予定となっている勧告を含む報告書をまとめることになっている。(c)AFP