【9月20日 AFP】18世紀の英探検家ジェームズ・クック(James Cook)船長がオーストラリアとニュージーランドを発見した探検航海で使用した帆船「エンデバー号(Endeavour)」の残骸が、今度こそ見つかったかもしれないと、米豪の海洋考古学者チームが19日、発表した。

 残骸を発見したとされる場所は、米ロードアイランド州ニューポート港(Newport Harbor)内。アメリカ独立戦争(American War of Independence)中の1778年、エンデバー号が他の輸送船12隻と共に沈められた場所だという。

 オーストラリア国立海洋博物館(Australian National Maritime Museum)のケビン・サンプション(Kevin Sumption)館長は、調査チームが「エンデバー号の残骸の位置を1か所に絞り込んだようだ。先行きは明るい」と述べた。その上で、「クック船長のエンデバー号の残骸を発見したと断言するには、さらなる調査や分析、研究が必要だ」としている。

 エンデバー号はクック船長が太平洋探検航海で使用し、ニュージーランドとオーストラリア東部に初めて到達した船として名高い。この発見が後に英国の植民地化につながったとされる。その後のエンデバー号の運命については、廃船となった、商業船として別の船主に売却されたなどの説があり、1778年にニューポート港に沈められたとされるが、これまでの長年にわたる調査では残骸の発見に至っていない。

 オーストラリア・シドニーのダーリングハーバー(Darling Harbour)には現在、豪近代史の重要な記念碑として、エンデバー号を復元した帆船が係留されている。(c)AFP