まず取り組んだのは、原料供給の全面的な改革。面積約270ヘクタールの高水準の養殖基地を作り上げ、加工工程には自動洗浄機などを設置し、管理面では「見える化」と標準化を導入、大幅に品質を安定させた。潜江の人々がザリガニの養殖基地につけた名前は、「蝦稲共作(ザリガニと稲の共存、共作)」だ。

 潜江市水産局の技術者は09年、「蝦稲共作」の試験に着手した。水田の縁に溝を掘り、化学肥料や農薬などを使わず、稲はザリガニの成長可能な環境を提供し、ザリガニは稲のために雑草を取り除き、害虫を駆除する。言わば、「稲が蝦(ザリガニ)を育て、蝦が稲を育てる」互いに助け合う方法を実現した。

 このような水田で育ったザリガニは殻が青く、腹が白く、肉が締まっているので、格別に美味だ。地元の人は「清水蝦(きよみずザリガニ)」と呼ぶようになったという。

「蝦稻共作」の形を通して、人々はザリガニと水稲の共生と共存を見出した。面積当たりの水田の生産高は伝統的な水稲に比べ5倍となり、実践を通して、ザリガニが「有害生物」ではないことを事実をもって証明して見せたのだ。(c)東方新報/AFPBB News