【9月19日 AFPBB News】鎌倉幕府を開いた源頼朝に由来する「面掛(めんかけ)行列」が18日、神奈川県鎌倉市の御霊神社の例祭に合わせて行われ、風変わりなお面を着けた人々が市内を練り歩いた。

「面掛行列」は、普段は御霊神社に保管されている爺(じい)、鬼、鼻長(はななが)、烏天狗(からすてんぐ)、おかめなどを表している「面掛十人衆」と呼ばれるお面が特徴で、県の無形民俗文化財に指定されている。奈良時代に広く行われた仏教普及のための仮面劇「伎楽(ぎがく)」の面を用いているという。

 御霊神社は、平安時代後期に現在の湘南地域一帯を率いた武士、鎌倉権五郎景政を祭神としており、毎年例祭が行われる9月18日は景政公の命日とされている。同市によると、例祭の一環として行われる面掛行列は、源頼朝が村娘をかわいがり、娘の一族が顔を見られぬようお面をつけて道中の警護をしたことが由来という。

 東京・町田市から夫婦で訪れた鳥飼一俊さん(71)は、「多くの子どもたちが行列に加わり、地元に密着していていい。古いお面を使うなど伝統が生活に根付いている」と興味深い面持ちで眺めていた。(c)AFPBB News