【9月14日 AFP】米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)の象徴的スローガンである「Just Do It」のキャンペーンに、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)でプレーしていた元QBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が起用されたことについて、同社傘下の「ジョーダン・ブランド(Jordan Brand)」は、「完全に」正しいという認識を示した。

 米プロバスケットボール(NBA)の象徴的存在であるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏の名にちなんだ同ブランドのラリー・ミラー(Larry Miller)代表は13日、フランス・パリでAFPの取材に応じ、「素晴らしいことの一つは、コリン・キャパニックが最高のインスピレーションを持つアスリートであり、現在の立場を生かして自分が信じる大義を前進させたこと」、「ナイキがその行動を支援することは、会社として当然のことであり、われわれもアスリートたちを支えていく方法をこれからも模索していく」と述べた。

 警察官の横暴を訴える活動を行っているキャパニックは、フォーティーナイナーズ時代の2016年に試合前の国歌演奏で膝をつき、白人警官による黒人射殺事件への抗議活動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」への連帯を訴えてから、NFLでは事実上ブラックリストに挙げられた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領や保守派がキャパニックの膝つき抗議活動を激しく批判している中、同選手をフィーチャーしたナイキの新しい広告キャンペーンでは、瞬く間に不買運動が起きた。

 ミラー社長は、「リスクはあったが、だからこそナイキの一員であることを誇りに思う。なぜなら、ナイキは進んでそのリスクを取り、信条を訴えているアスリートを支援した。そしてわれわれは、彼には自分の意見を主張する機会があることを強調したかった」とつけ加えた。

 2016年に27億5000万ドル(約3100億円)の売上高を記録したジョーダン・ブランドは同日、サッカーフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)と新たに3年契約を結んだことを発表するイベントを行った。

 ナイキは30年以上にわたりPSGのキットを製造しているが、今回の契約によって同クラブが欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)で着用するユニホームには、ジョーダン・ブランドのロゴである「ジャンプマン(Jumpman)」があしらわれることになる。同ブランドがサッカー界に進出するのは、これが初めてとなる。(c)AFP