【9月15日 CNS】ハイテク文房具の「近視予防ペン」は、ドイツの文房具メーカーのペリカン(Pelikan)が人間工学に基づいて設計した、体の姿勢とペンの持ち方を矯正するための、学生専用の万年筆だ。人間が文字を書く時の姿勢と顔と紙の距離を自動検出し、距離が近くなると、ペン先が自動的にペン本体の中に引っ込む。10種類以上のカラーがあり、専用インクを使う。

 こうした「近視予防スマートペン」や「姿勢矯正ペン」「芯が無くならない鉛筆」などの新型文房具が中国のEコマースプラットフォームの天猫(Tmall)で評判だ。

 新学期シーズンの同社データによると、この1週間で、文房具の成約額は前年同期比で60%増加した。30~40歳の消費者が三分の一を占める。「80後」と呼ばれる1980年代に生まれた人々の子どもが小中学校に入学する年齢に達し、子どものために学用品を購入することが保護者らの夏休み最後の仕事となった。

 杭州(Hangzhou)市の陳さんの娘、妞妞(Niuniu)ちゃんは小学校の新1年生だ。始業式の2週間前、陳さんは学校が保護者向けに配布した「新入生のための入学ハンドブック」に従い、必要な文房具を天猫で買い揃えなければならなかった。

 環境に優しいHB鉛筆、インクを注ぎ足せる24色水彩ペン、丸い刃先の安全ハサミ、お道具箱、……陳さんは学校から指示された10種類以上の文房具を全て天猫で購入し、500元(約8100円)余りを支払った。

「私たちが子どもだった頃は、1本0.2元(約3円)の鉛筆と、小さな鉛筆削りしかなかった。もし誰かがボールペンを持っていたとすれば、数日間見せびらかしたものです。天猫で見るまで、今どきの子どもの文房具が専門的な高度なものになっていることを知りませんでした。子どものためだからお金を出す価値はある」という。

 現在、消費者は文房具の基本的な機能だけでは満足できない。製品の材質が安全で環境に優しいことや、使い易く外観も良いことを求める。クラス全員が同じ文房具を使っていた「80後」の世代や1990年代に生まれた「90後」の人々とは違い、2010年代に生まれた「10後」とその両親は、性能がさらに向上した中国製の老舗製品や、さまざまな世界のブランド品の中から、自分に合ったものを自由に選ぶことができるようになったのだ。

 このほか、認定商品や新興の小型ブランドも販売のピークを迎えている。イタリアの著名ブランド・モレスキン(Moleskine)は、天猫で「スヌーピー」「ポケモン」などの認定ノートを投入。中国の老舗ブランドである「晨光文具(Shanghai M&G Stationery)」も、「ワンピース福袋」の初売りや、オランダ・アムステルダムのゴッホ美術館(Van Gogh Museum)や英ロンドンの大英博物館(British Museum)の認定ノートの販売を行っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News