米同時多発攻撃から17年、犠牲者の身元特定に取り組む科学者たち
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■「安堵のようなもの」
7月、新たに1人の名前が身元確認者リストに追加された。ほぼ一年ぶりとなる新たな名前の追加となった。スコット・マイケル・ジョンソン(Scott Michael Johnson)さんだ。ジョンソンさんは当時26歳で、南棟の89階で証券アナリストとして勤務していた。
分析室には犠牲者の遺族が訪れることもある。遺族の役割は非常に重要だ。遺骨のDNAを遺族から提供された試料と照合して初めて、身元確認が可能になるからだ。
検視局は約1万7000点の試料を保有しているが、犠牲者約100人については照合試料が手元にない。そのため、そうした遺骨の身元を明らかにする取り組みは行き詰まっている。
鑑定方法の精度は非常に高く、失った最愛の人と特定された場合に鑑定結果を通知するかどうか、する場合はどのような方法で行うかは、遺族自身の判断に任されている。
遺族の一人、メアリー・フェチェットさんは「鑑定結果の通知を受けると、あの日の記憶がよみがえる。彼らの命が奪われた恐ろしい光景が」と語る。ツインタワーの倒壊で、フェチェットさんは24歳の息子のブラッドさんを失ったのだという。
「それでも、通知によって最愛の人にしかるべき埋葬を施すことができるという安堵のようなものも同時に得られる」
遺体の身元確認作業で時間が味方になってくれることを理解していた2001年当時のチャールズ・ハーシュ(Charles Hirsch)検視局長は、遺骨を一つ残らず保存するよう命じた。
現在では、アルゼンチンから南アフリカまでの世界各地から、専門家チームが視察目的でニューヨークの分析室を訪れるようになっているという。
遺族との面会時には、「未来のこと、一人でも多くの身元を特定するのを助けるために現在取り組んでいることについて」の話をするとデザイア氏はAFPの取材に説明した。また、分析室で専門家として働いている人々については、同時多発攻撃発生当時は、まだ小学生か中学生くらいだったはずと笑みを見せながら話し、「それでも、彼らはこの作業がいかに重要かを理解している」と続けた。(c)AFP/Thomas URBAIN
