【9月10日 AFP】英高級ブランドの「バーバリー(Burberry)」は、今後本物の毛皮とアンゴラの使用をやめ、売れ残り商品の焼却処分を中止したことを同ブランドの最高経営責任者のマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)氏が6日に発表した。

 ゴベッティ氏は声明で、「モダンラグジュアリーにおいては、社会的にも環境的にも責任感がなくてはならない」と示し、「この考えは我々にとってとても重要なことで、長期的な成功の秘訣だ」とした。

 活動家たちはこの情報を受け喜びをあらわにした。動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」は次のようにツイートした。

「勝利だ!10年以上活動を続けてきてようやく、『バーバリー』がそのコレクションでファーとアンゴラの使用をやめると発表をした。この発表を受けPETAでは喜びを爆発させている」

英・ロンドン市内で開催された「バーバリー」17/18年秋冬コレクションの様子(2017年2月20日撮影)。(c)AFP Photo / Daniel LEAL-OLIVAS

 また発表で「バーバリー」は、本物のファーの使用は「長年ラビット、フォックス、ミンク、アジアのアライグマに限定してきた」が、「今後はこれらに加えアンゴラも」使用を禁止するとした。

 今月発表されるリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)による初コレクションでも本物のファーは使用しないと明かした。

 国際毛皮連盟主催(International Fur FederationIFF)のマーク・オーテン(Mark Oaten)CEOは失意を表し、環境に敬意を払うには他にすべきことがあるとした。

「本物のファーの替わりに、石油を原料とするフェイクファーなどの使用は」「ラグジュアリーでもなければ責任感があるわけでも持続可能でもない」とオーテンは声明で発表した。「持続可能性を約束するファッションに関わる会社であれば、ウール、コットン、レザー、シルク、本物のファーといった自然の製品を使用すべきだ」と続けた。

■さらに価値を高めるため

 業界全体で行われている売れ残り商品の焼却処分の中止について「バーバリー」は、「この誓約は無駄な廃棄問題に取り組むために昨年設けた目標に基づいており、5年間の責任課題の一部であり、新しい戦略に支えられている」「売れ残り商品は既に、再利用、修理、寄付、または再生利用のいずれかで対応しており、今後もこの努力を続けていく」と述べた。

「バーバリー」などの高級ブランドは毎年、ブランドの独占性とブランドイメージを保つために何千万ドル相当の商品を焼却処分してきた。

 7月に発表された最新の年次報告書によると「バーバリー」は、2860万ポンド(約40億9500万円)相当の売れ残った服やアクセサリー、フレグランスなどを焼却処分した。

 しかし昨年クリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)の後任としてブランドに加わったゴベッティは、同ブランドの商品を今まで以上に価値を高めるため、戦略の見直しを図っている。

 まずはその一歩目として、「ジバンシィ(GIVENCHY)」で共に働いたティッシを「バーバリー」のチーフクリエイティブオフィサーに任命した。(c)AFP/ Ben PERRY