【9月7日 AFPBB News】子どもたちが歓声を上げ手を振って眺める水槽には魚ではなくウェットスーツを着込んだ男女の人間。東京・池袋の「サンシャイン水族館(Sunshine Aquarium)」で5日、「水槽ピカピカ大作戦」が行われ、水槽の清掃が一般公開された。

 水槽の清掃は通常、閉館後に行っている。水槽内の生物を取り出し、水をすべて抜いて実施。「ピカピカ大作戦」は、珍しい生物だけではなく、裏方としてさまざまな業務をこなす飼育員も含めて、水族館のファンになってほしいとの思いから年に数回、営業時間中に行うようになった。今月は同日を含め、4回実施する。

 この日に水を抜いて清掃した水槽は、3メートル四方、深さ1.6メートルの大西洋のカリブ海に生息する魚の展示コーナー。膝の深さまで水を抜いた水槽に、飼育員二人が入り、体長約70センチの古代魚ターポンや翼のように大きなヒレを持つフライングガーナードなど、11種類17匹の魚を傷つけないようにビニール袋の中に追い込み、捕獲。捕まえた魚は水槽の裏側に待機していた職員がバケツリレーで大型のタルまで運び、その間に水槽に残った飼育員は擬サンゴやアクリル板を塩素で消毒し、砂を入れ替える作業を続けた。

 水槽の水位が次第に下がっていくと危険を察知したのか、魚は慌てたように泳ぎ回った。子どもたちは水槽に張り付くように捕獲や清掃の様子を眺める一方、「なんで人がいるの」と、水槽に入っている飼育員を見て目を丸くする来場者もいた。

 水槽内で作業したベテラン飼育員の瀬川裕啓(Yasuhiro Segawa)さん(47)は、何度か経験があるものの、見られることには慣れていない様子。「向こう側で何を言われているんだろうと気になります。ちょっと恥ずかしいですね」(c)AFPBB News