【9月7日 AFP】ペルーのパトリシア・バルブエナ(Patricia Balbuena)文化相は6日、古代アンデス文明のシカン(Sican)文化で葬儀に用いられたとされる黄金の仮面が、ついにドイツから返還されたと発表した。この仮面をめぐっては、これまで20年にわたって法廷および外交の場で闘争が繰り広げられてきたという。

 シカン文化は、ペルー北部沿岸で8世紀から14世紀の間に栄えた。

 ペルー当局は1999年に、8世紀に作られたこの黄金仮面の遺失を届け出ていた。仮面は後に、ドイツのウィースバーデン(Wiesbaden)で発見され、国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)が押収。

 2016年12月になって、バイエルン(Bavarian)州ミュンヘンの地方裁判所が、ペルーへの返還命令を出していた。バイエルン州当局から在ベルリンのペルー大使館に送られたこの仮面は、今後数週間のうちにペルーに戻る予定だという。

 南米諸国は貴重な文化財の回収に力を入れている。ペルーの隣国のエクアドルでも今年7月、6年間の裁判の末に、ドイツの個人収集家が所有していた古代文明の遺物13個の回収にこぎ着けた。(c)AFP