【9月6日 AFP】(更新)北海道で6日午前3時すぎ、強い地震があった。米地質調査所(USGS)によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.6。この地震で土砂崩れや家屋倒壊などの被害が出ているほか、少なくとも5人が死亡、4人が心肺停止、数十人が安否不明となっている。

 NHKによると、犠牲になった人々の多くは厚真(Atsuma)町で見つかったという。北海道は今週、台風21号(アジア名:チェービー、Jebi)にも見舞われており、今回の地震で大規模な土砂崩れが複数発生。上空からの映像では、土砂崩れに巻き込まれ倒壊した山麓の民家や、ヘリコプターで救助される住民の姿などが確認できる。

 また道内では、北海道電力(Hokkaido Electric Power)最大の火力発電所が運転を停止した影響で、約300万戸が停電した。世耕弘成(Hiroshige Seko)経済産業相は、火力発電所の運転再開には「少なくとも1週間」かかるとの見通しを示した。

 NHKによると、泊(Tomari)原子力発電所の原子炉はいずれも運転停止中だが、外部から電源を供給できなくなったため、非常用電源に切り替えて核燃料プールの冷却を行っているという。

 今回の地震で大きな被害を受けた安平(Abira)町の職員、木林一雄(Kazuo Kibayashi)さん(51)は、地震は2回あったように感じたとAFPの取材に語った。突然激しい揺れに襲われ、横揺れが2~3分続いていったん収まった後、再び揺れ始めたという。これほどの揺れを体験するのは生まれて初めてで、自宅がつぶれるのではないかと思ったと木林さんは地震の様子を振り返り、家の中は何もかもがめちゃくちゃだと話した。

 一方、札幌市に住むフクイ・アキラ(Akira Fukui)さんはAFPに対し、午前3時頃に縦揺れで飛び起き、電気をつけたがすぐに停電してしまったと証言した。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相は緊急閣議の後、被災地では既に自衛隊が4000人態勢で救助活動を始めており、今後2万5000人にまで増強する方針を明らかにした上で、「救命救助活動に全力を尽くす」と述べた。

 気象庁の松森敏幸(Toshiyuki Matsumori)地震津波監視課長は「特に2、3日程度は規模の大きな地震が発生することが多くある」と述べ、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっている恐れがあるとして、今後の地震活動や雨の状況には十分に注意し、危険な場所に立ち入らないよう警戒を呼び掛けた。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA