「牧草がない」 猛暑による干ばつで悲鳴、欧州畜産業
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■廃業の危機
飼料と牧草の価格が高騰するなか、畜産農家はいつもより早い時期に家畜を食肉処理場に送り始めている。これを受けてスウェーデン政府は、食肉加工場に家畜が送られるのを防ぐため、農家の飼料購入支援として12億スウェーデンクローナ(約147億円)を用意した。
フランスの農家は国内の食肉加工最大手による市場の独占を危惧(きぐ)している。ある畜産農家は「私たちはすでに生き延びるのに必死なのに、この干ばつに乗じて、彼らはさらに安い価格で家畜を買い取り、ぼろもうけするつもりではないのかと不安になっている」と語った。
牛乳による収入だけでは生活が苦しいと以前から不満の声を上げていた酪農農家にとっては、この干ばつの影響はより大きなものとなっている。
あるフランスの酪農農家は、「この冬は壊滅的な状況に至る恐れがある」としながら、「飼料の不足分を補うために穀物を買う必要があるのだが、穀物の価格も同時に上昇した。そのため牛乳の生産コストはさらに跳ね上がった」と嘆く。
こうした状況に欧州委員会(European Commission)は、農家に対する補助金支払いの迅速化を約束しているほか、休閑地の牧草の刈り取りを認めるなどの特別措置を講じている。
だが、仏農家のアヌカンさんは、楽観的にはなれない様子で「廃業する農家が大量に出るだろう」と語った。(c)AFP/Isabel MALSANG with AFP bureaux in Europe