【9月2日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)は1日、男子シングルス3回戦が行われ、大会第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は6-4、6-1、7-5で第30シードのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)を下して16強入りを決めた。この試合でフェデラーは、フォアハンドでネットポストの外側を通す圧巻のショットを放って大会の注目を集め、本人も忘れられない一打になったと話している。

 アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で行われた一戦で、キリオスが打った角度のついた球を前に走って追いかけると、腕を伸ばしながら手首を使ってポストの外側を回したフェデラーは「間違いなく、めったにないショットだった」と振り返った。

 自分のサイドにボールが返ってくると驚いて目を見開いたキリオスは、直後のチェンジオーバーで「あれはテニス史上最高のショットに違いない」と口にする声も聞き取られた。

 当のフェデラー本人は、練習できるショットではなく、本能的だったとしており、「ネットポストの外側を通してショットを打つ機会はそうそうない。練習ではネットが横に広がり、コート自体の幅も狭くなっているからね」と語った。

「練習で今回のようなショットを打つには、フェンスに向かって走っていくしかないが、ボールはネットにかかるだけだ。だからこういったショットは、ポストがアレーに設置された、大きなコートでのシングルスの試合に限る」

 第1セットでブレークチャンスを逃し、フェデラーのショットが飛び出した時点ですでに2セットダウンとなっていたキリオスは「あのショットは大したことなかったと彼に言おうと思ったんだけどね」「冗談だよ。あり得ないようなショットだった」とジョークを飛ばし、インスタグラム(Instagram)に写真を投稿するとユーモアを交えて話した。

 また、四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇るフェデラーは、今回のショットはアンディ・ロディック(Andy Roddick)氏と対戦した2002年の試合でスマッシュをスマッシュで返したカウンターや、2005年のアンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏との一戦で放ったロブに並び、キャリアの中でも印象的なものとなったと述べている。4回戦ではオーストラリアのジョン・ミルマン(John Millman)と対戦する。(c)AFP