【9月1日 AFP】ブラジルの選挙高裁は8月31日、国民に人気のある左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領(72)の10月の大統領選への立候補を無効とする決定を多数決で下した。

 判事らは6時間に及んだ臨時の審理の末に採決し、2人の判事が投票していない時点で立候補の無効化に賛成が4人、反対が1人となりルラ氏の立候補を無効とすることが決まった。

 ブラジル大統領選の世論調査で首位を維持しているルラ氏は、建設会社から賄賂として海の近くに建つ高級住宅を受け取ったとして2017年7月に有罪となった。二審でも今年1月に禁錮12年の有罪判決を受け、今年4月から収監されている。

 2週間余り前にルラ氏を大統領選の立候補者として届け出た労働党(PT)は、「法律やブラジルが批准した国際条約によってルラ氏に与えられている権利を裁判所に認めさせ、ルラ氏の立候補を確実にするためあらゆる手段を使って闘う」との声明を発表した。

 選挙高裁の元判事はAFPに対し、選挙高裁の決定に抗告することができる他、選挙高裁の決定に憲法上の問題があると主張して最高裁に訴えることもできると指摘した。(c)AFP